MMD自動トレースからモーショントレース始めてみよう!-③自動トレース結果を下書きにモーションを組む(腕編)

こんにちは。知ってる人は知っている、aprです。
MMD自動トレースの結果から、一般配布できるモーションを作る過程を記録していくシリーズです。

apr-mmd.hatenablog.jp

だいぶ間が空いてしまいました。
それでは、早速始めていきましょう。

今回の目標

腕のモーションをつける。今回終了時点で、ダンスの全体像ができていることが目標です。
肩~手首のキーを打っていきます。

腕のモーションと自動トレースについて

腕のモーションは自動トレースの結果を信用しないほうが良いです。
なぜかというと、あらぬ方向に曲がっていることが多いからです!ガーン!
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…ここまで極端でなくても、ひじが変な方向を向いていたり、肩が上がりすぎていたり…
ちょっとこのままでは使いづらいですね。
よって、ここからは地道なトレース作業です。頑張りましょう!
キーの打ち方は体幹と一緒ですので、詳細は割愛します。
動きの頂点になるところにキーを打っていきます。
ただ、腕の軌道はかなり大きく変わるので、軌道を変えるために細かくキーを打つ必要があります。
なので、腕のキーフレームは体幹に比べて多いです。こんなになりがちです↓
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動きがはっきりしているので、体幹より動きの頂点をとらえやすいかもしれないですね。

肩ボーンの使い方

片腕を上げてみましょう。そのとき、もう片方の手で肩を押さえてみてください。
水平方向くらいまでは、肩の骨や筋肉はあまり上がってこないですよね。
腕を水平方向より上にあげようとしたとき、肩も一緒に上がってくると思います。

MMDでも同じです。腕を上げる動作はローカルのZ軸回転の動作になります。
水平より上に腕を上げるとき、肩ボーンを回すようにするといい感じになります。
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腕を前後に動かすときも同様です。
自分で腕を動かしてみると、ある程度の角度から肩の骨もついてくる感覚があるはずです。
MMDではローカルのY軸回転の動作になります。
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ただ、肩って結構上下にも前後にも動かせるんですよね。
肩をすくめる動きなどは、ダンスで使われることもよくあるでしょう。
よって、必ずしも上記に当てはまるわけではないのでご注意を。
あくまで基本は「よく観察して、動きをマネさせる」ことなのです。

腕の捩り問題(捩りボーンについて)

かんなさんの記事で詳しくまとめられているので、是非読んでみてください。
これ読めば以下はすっとばしても全く問題ないです。
mikudan.blog.fc2.com
こちらは内容的に中級者向け?なので、私なりにかみ砕いてみます。

肩・腕ボーンが嫌われる理由の大きなものに「腕がねじ切れる」というものがあります。
その解決のために使われるのが「腕捩・手捩」ボーンです。
捩る動きを「腕捩・手捩」ボーンを使って腕全体でちょっとずつ行わせることで、捩じ切れ問題を回避しているのです。
捩りボーンはモーション作者にもメリットがありました。
腕を捩る動きと、腕を上下前後する動きを分けて管理できるようになります。
これによって
 ・ボーンの役割分担をできるので、作業効率が向上する
 ・無駄なキーフレームを打たなくて済む
というメリットを享受することができるのです。

…理由はなんとなく分かったけど、実際どう使うの???

皆さん、野球の投球フォームをこっそりやってみてください。
振りかぶってから…
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「腕を捩って」ひじの方向を変えてボールを投げますよね。
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この「腕を捩る」動きを「腕捩」ボーンにやらせるのです。
「腕を捩る」動きをMMDに置き換えると「(ローカル)X軸回転」です。
つまり。
 ・肩・腕を上げ下げする動き→Z軸回転
 ・肩・腕を前後に出す動き→Y軸回転
 ・腕を捩る動き→X軸回転
  →これを腕捩ボーンにやらせます。

では「手捩」ボーンは…?
こちらは「手首を捩る動き」をやらせます。わかりやすく言うと「手のひらクルー」する動きをやらせるのです。
 ・ひじを曲げる動き→ひじボーンのY軸回転
 ・手首をパタパタさせる動き→手首ボーンのZ軸回転(Y軸方向にも若干曲げられます)
 ・手首を捩る動き→X軸回転
  →これを手捩ボーンにやらせます。

まとめると。
 ・肩・腕ボーン…Y/Z軸回転しか使いません!
 ・ひじボーン…Y軸回転しか使いません!
 ・手首ボーン…Y/Z軸回転しか使いません!
  →捩る動きはX軸回転!
   X軸回転は捩りボーンにお任せです!

投球モーション:tomo@ネギバットP様。ありがとうございます。

作業の様子

ここまでを踏まえて、作業のようすを早回しでお送りします。
youtu.be

今回の成果

youtu.be
完成形が見えてきましたね!
次回は指モーションになります。ここまで来ていればあっという間ですよ!

では、また次回お会いしましょう!